刮目せよ!

WEBサービスを構築する際に、いわゆるミドル層に配置されるアプリケーションサーバーにはいくつか種類がある。まず完全無料のJakartaTomcat。参考書籍が腐るほど出ているから知名度は高いよね。今どき「F15戦闘機のこと?」とか言ってたら女子高生に笑われちゃうよ。まぁでも、Apacheと聞いて「軍用ヘリの?」とか聞き返す方が怖いけど。それから、日本では知名度が今ひとつだがResinというサーバーもある。主にヨーロッパ市場で使われているようだ。Tomcatのように無償ではないが、1ライセンスが約5万円と格安なのが特徴。
そして、ここからは値段がグンと跳ね上がる。BEAのWeblogicServer、IBMのWebSphere、そしてOracleのOracleApplicationServer10gである。他にも日立からCosminexとか出ている。一番の老舗はBEAのWeblogicServeで、実績も機能も申し分ない。参考書籍もTomcatと比べるとさすがに少ないが、まぁまぁ揃っている方だといえる。Tomcatに比べて知名度が今ひとつなのは、これら商用サーバーの値段が関係していると思う。WeblogicServeは大体600万円ぐらいで、WebSphereは450万円ぐらい。一番安いのがOracleAS10gで、375万円。このぐらい高いと、金融サービスなどの大がかりなシステム構築にしか使われないわけで、個人が趣味でイジるのには敷居が高すぎる。でも、一応、WebLogicとかOracleASとかは企業のサイトから体験版がダウンロードできるようになってはいるので、興味のある人はチャレンジしてみるといいかもしれない。J2EEについてある程度知識が無いとダメだけど。
で、次のプロジェクトではデータベースをOracleにすることにほぼ決定しているので、とりあえず親和性の高さを期待してOracleAS10gから試してみることにした。とりあえず、Pentium3_766MHz、メモリ512MBのマシンにデータベースのOracle10gを入れてみる。その後、OracleASを入れてみたのだが、JavaVMのメトリックが見あたらないとやらで管理ページでエラーが出ている。J2EEのアプリケーションは動いているみたいなので、WARファイルをデプロイしてみるが、5〜6時間経ってもいっこうに終わる気配がない。あきらめて一応検証が取れているLinuxOracleディストリビューションと言っても過言ではない「Asianux」にインストールを試みる。マシンとの相性が悪いのか、ユニバーサルインストーラー自体が立ち上がらない。
何がおかしいのだろう?と首をかしげながら、今度は常駐先の会社のパソコンにインストールしてみる。このマシンはスペックが多少高めでPentium4_2.4GHz、メモリ512MBだ。相変わらずJavaVMのメトリックが見つからないとやらで管理ページにエラーが表示されているが、デプロイは普通にできるし、アプリケーションも普通に稼働している。ビックリするのはデプロイの速さだ!WARファイルなら1〜2分、EARファイルでも5分とかからない。ちなみにデプロイに使ったEARファイルは、よくOracleの人がデモに使うPetStore。このデプロイの速さは大きな武器になるかも。操作もGUIで簡単に出来るし、ホットデプロイにも対応しているしね。Oracleはミドル層のアプリケーションでは後発組だが、この製品は刮目に値するかもしれない。
現在、市場におけるシェアはIBMのWebSphereが3割以上を占めているのだそうな。正直、WebSphereは好きじゃない。今はどうだか知らないけどホットデプロイにも対応していなかったし、デプロイに時間が異常にかかるのだ。私は、WebSphereを使ってデスマに陥っているプロジェクトを少なくとも2つ知っている。値段の高さがネックになっているんだろうけど、BEAのWebLogicサーバーはもっと健闘しても良いような気がする。多分、IBMの場合ハードも扱っているからハードウェアの値引きと抱き合わせて上手いこと売り込んでいるんだろうけど、企業の担当者の皆さん、目ヲ覚マシテ下サーイ!(小川直也 風に)