煽る人々

maranello2005-04-04

今月号の「Circus」はいつになく扇情的なタイトルだ。「オレでもなれる30代社長!あと30年、タダのサラリーマンを続けちゃっていいの!?」だってさ!
でも、無理に起業するよりタダのサラリーマンをダラダラでも続けた方が良いと思う。ニートやフリーターに比べれば遙かにマシだから。何より恐ろしいのは起業そのものが目的化してしまうことだ。名刺に「代表取締役」という字を刷りたいがためだけに無理をして起業し、会社を維持するためだけに借金を重ねるようになると悲惨な将来が待っている。目安としては、30代になって手元に300万円程度の金を貯められないような人間は、起業しても失敗する確率が高い。以前に、私が会社の登記を終えたときに「誰でも社長になれる」と書いたような気がするが、補足させてもらえば、確かに手元に300万円貯めて会社を興すのは簡単だ。手取りの給料が17万円ぐらいでも家賃3万5千円の家に住み、食費やその他に2万円ぐらいしか使わなければ1年間に150万円は貯められる。2年で手元に有限会社の最低資本金が残るはずだ。このぐらいの覚悟とやる気がないのであれば、普通にサラリーマンを続けた方が良い。今の仕事に不満があるなら、辞めるよりも状況の改善に努力し、取り組んでいる仕事を天職だと思って好きになるように努力した方が人間としての幅が広がるだろう。
ちなみに、消費者金融からかき集めて出資金にしても特に問題はないみたいだ。というのもライブドア堀江社長の書いた本「堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方」に友人の例として紹介されている。実際、銀行に預かり証明書を書いてもらう時にも金の出所を探られる心配はないし(銀行がそんなことしてどうする!)税務署だって警察だってそれほど暇ではあるまい。むしろ、税金を納めてくれる組織が新たに誕生するのだから彼らにとって嬉しいことなのだ。ただし、消費者金融などから借りた金を銀行に納め、銀行から「出資金の保管証明書」を発行してもらう場合、その金は3ヶ月ぐらい下ろせないので、その間の金利をどうするか考えないとイケナイのだが。
ともかく、こうした煽動的なマスメディアに踊らされないようにすることが何より肝要なのかもしれない。

P.S 顔出しOKですか?四畳半社長!ていうか、後ろホントに墓場だし。卒塔婆が見えてるよ。