やっていい事と悪い事

まぁ、普通控訴するだろうな、とは考えていたんで発売禁止とはならないんじゃないかなと心の中では思っていた。一太郎の最新バージョンは問題なく出荷されるとの事、これで一安心。
というか、こんな下らないことで特許侵害の裁判を起こす、しかも大企業が起こすということが信じられない。例えば、以前にグループウェアサイボウズが同じような製品を販売していたデスクネッツを訴えたことがあった。これは特許侵害の有無にかかわらず納得のいく行為である。この裁判を起こし、勝訴することによってサイボウズは競合製品を廃して自分達の利益を確保できるし、裁判を起こすことそのものによって自分達の主張に注目を集めることができる。「あいつら、真似してるみたいだけど、オリジナルの意地にかけて負けてらんないよな」とか言ってるだけじゃダメなのだ。これは、明らかに同じ分野で争っているし、裁判の行方が自分達の利益に直結しているわけだから裁判を起こす理由について充分納得できる。
だがしかし、マネシタ電器のやってることは何だ?あいつらが侵害されたと言い張っている特許とやらは、今秋葉原で二束三文で叩き売られているワープロ(ハードウェア)に搭載されていたアイデアというではないか。今後、どんなに頑張ったところでワープロの天下は来ないだろう。それに、一太郎や花子を販売中止に追いやって自分達に何ほどの利益をもたらすというのか?権利の濫用ではないのか?この裁判に勝訴することの意味はどこにあるというのだろう?
そもそも日本語ワープロソフトとか日本語のFEPは、国家として守るべき財産である。現在、商用ソフトで使い物になるのはATOKだけだと言っても過言ではない。国産のワープロソフトも一太郎だけになってしまった。Microsoftは多くの優れたソフトを世に送り出している賞賛すべき企業ではある(Javaもいいけど.NETもイイよ)が、MS-IMEはお世辞にも使いやすいとはいえないし、Wordも使いづらいよ。スペルチェック機能とか言われてもさぁ、その前に日本語の変換をキチンとやってほしいし。
それに、優れた日本語のFEPを失うということの重大性を考えたら、たとえ特許を侵害していたとしても、このような裁判は起こすべきではないと思う。こういう破廉恥なことを天下の大企業が平然とやってのけるところに、日本が抱える病巣の根深さがある。国益より自社の下らないプライドを死守しようという浅ましい根性がね。
裁判所も裁判所だ。なぜ、こんな人の物真似ばかりでのし上がってきたような企業に勝訴の判定を与えるかな?こう言ったら何ですけどね、「日本の司法制度は腐ってますよ、ホントに」