生首に聞いてみろ

maranello2005-01-05

私は結構ヘビーな推理小説愛好家だったりする。中学、高校と文学作品ばかり読んでいたのだが、大学に入ってからは新本格派と呼ばれる作家達の台頭と期を同じくして、再び推理小説に耽溺するようになっていった。特に好きで思いいれも深かったのが、この法月綸太郎である。著者と同姓同名の私立探偵が活躍するシリーズは、新しい作品が発表される度にワクワクしながら読んだものだ。作中の人物、ロックグループ「スレンダーガールズ」でキーボードを担当する「地蔵のヨーコ」こと久保寺容子とか、暗い過去を背負うアイドル畠中有里奈こと中山美和子などなど、個性的な面々がシリーズを通して登場するので人物同士の相関図を頭の中に思い描きながら読むのも、面白さの一つである。
そんな法月綸太郎が実に数年ぶりに新作を発表。さらにその作品が「このミス」で1位を獲ったというだから、買わない方がどうかしている。本当は年末に買って、お正月とかじっくり読むつもりだったんだけどね。
ちなみに彼の作品で最も好きなのは「再び赤い悪夢」だが、純粋な推理小説としてクオリティの高い作品となると「密閉教室」「一の悲劇」の2つを推薦したい。また、彼は自らをエラリー・クイーンエピゴーネンと称しているほど、クイーンの影響を色濃く受けているが、私自身もエラリー・クイーンのファンである。一番好きなのは「オランダ靴の謎」。