ハッカージャパンを買う

maranello2004-12-27

創刊号から買い始めてもう5年ぐらい経つのかなぁ。最近は仕事が忙しくてろくに目を通していないが、とりあえずバックナンバー確保みたいな感じでいつも買っている。CD-ROM付きとはいえ、1700円はムック本にしてはチョット高いよなぁ。で、この本に好評(?)連載中のハッカー漫画「ハッカーDioHead」。今回は楽天三木谷社長ライブドア堀江社長をモデルにした顧客が登場。堀江社長が被害者を装ってライバルの三木谷社長を陥れようとするイヤな奴として描かれている。「金で人の心が買える」などの一連の発言やパフォーマンスを好意的に捉える人と、そうでない人との差が激しいよね。どう書かれるにしろ、世間の耳目を集めているという意味では、まんまと彼の思惑にハマッているような気がするのだが。
この漫画で扱われている肝心のテーマは、ステガノグラフィJPEG画像の中に埋め込まれた特定のコードを知らないうちに実行してしまうというブラウザの脆弱性について描かれている。もともと、このステガノグラフィという技術は、名うてのハッカー集団「CULT OF THE DEAD COW」の配下である「Hacktivismo」に属する「pull」という人物が中心となって開発したものであり、そのプログラムにはCamera/Shyという名前が付けられていた。「Hacktivismo」は、政治的な主張を持ったハッカーの集まりであり「pull」という人物は筋金入りのキリスト教信者(たぶんプロテスタント)。彼は、共産主義国家で個人の意見を公に発表することが著しく制限されていることに怒りを覚え、そういった国の人が政府の検閲を通さずに自由に意見交換できるよう、このソフトを開発したらしい。現在は、クライアント側で不正なコードを実行させるために使われている技術だが、もともとはテキストファイルを暗号化して忍び込ませるために、ひいては独裁的な共産主義国家において個人の自由を守るためという崇高な理想の基に開発された技術だったのだ。
いかなる技術も使う人次第だということだろう。原爆の開発に寄与したオッペンハイマー達の嘆きに通じるところがあると言ったら言い過ぎだろうか?