個人投資家のレベル

先日行われたゲーム関連のセミナーに出席し、その中で田中泰生さんの講演を拝聴して考えたこと。日本にいわゆるゲームファンドを根付かせ、ハリウッド的な資金回収&製作、収益を上げて投資家に利益を分配する体制を作り上げるには日本はまだまだ幼い、ということである。個人投資家の意識レベルがあまりに低いのではないかと感じるのだ。相応のリターンを求めるためには、それに見合ったリスクを自ら積極的に取る必要があるということ、そのことを自覚していない人間があまりに多い。元本保証を謳うファンドが異常に人気があったり、いまだに株を博打だと断じて一顧だにしない人間が多くいたりする。結果として人気があるのは外貨での預け入れだが、これは資産の分散であって殖産ではない。思うに終身雇用制が当たり前だった時代が長く続いたため、仕事というものは自ら創り出していくもの(無論、そのためにはリスクを取ることを恐れてはイケナイ)ということが肌で実感できていないからではないかと思う。だから、リスクに対しての意識も希薄だ。「イザとなればお上(会社)が守ってくれる」という意識から抜け出せていない。オレオレ詐欺のような幼稚な詐欺にいとも簡単に引っかかってしまうし、プライベートバンクヘッジファンドという言葉だけがついたゴミのような投資商品にまんまと引っかかる人間が後を絶たない。だが、人は失敗を繰り返して成長してゆくものだ。5年後ぐらいには今より個人投資家の意識が向上しているかもしれない。さわかみ投信の資料請求をしながら、そんなことを考えてみた。