気胸の思い出

maranello2004-10-07

最近、身の回りで気胸がブームだ。医療事故でも起こるそうだが、自然気胸にかかる人が身の回りに2人もいる人は珍しいのではないだろうか?気胸というと高校生の時に読んだ遠藤周作の「海と毒薬」が思い出される。特に薄幸という身の上でもないのに小さい時分より良心というものが欠如していて、既婚者の義姉と姦通して童貞を失ったのを皮切りに次々と悪事に手を染めていく。(悪事というほどでもないのだが)お手伝いに来ていた若い娘を妊娠させてしまい、それを家族に知られないように医療用具を用いて自宅で堕胎手術を行う。そして、最後には太平洋戦争中に捕虜として捕らえられたアメリカ人を解体して臓器を軍人に提供する。麻酔をかけているとはいえ、立派な殺人行為である。ボクにとって「気胸」というのは、そんな思い出がいっぱい詰まった病。「気胸」にかかった知人を思い出すたびに、「海と毒薬」を思い出す。