ウェットブランケット

建設的な提案をせずに否定的なことしか言わない人のことを英語でウェットブランケット(wet blanket)という。語源はおそらく、たき火とかを消すときに水に濡らした毛布をかけるとすぐに消えること、から来ているんじゃないかと思う。私が知る限り日本にはこれに相当する言葉はない。
言葉はその国の文化を如実に表す。成長するに従って名前が変わる出世魚などという命名方式は日本特有のものであり、いかに日本民族が海洋に接してきた歴史が長いかということの証左でもある。株式市場にかかわる用語で、一般の株式売買に用いる言葉(指し値とか建玉とか)が日本語なのも、もともと日本では主に米を扱う先物取引が江戸時代から行われてきたという歴史があるからであり、逆にM&Aにかかわる言葉にカタカナの外来語が多いのは、日本の商習慣にM&Aがそぐわなかったから、もしくは歴史が浅いからだろう。
思うに、日本でウェットブランケットに相当する言葉がないのは、そういうヤツの方が圧倒的に多数派だからだろう。すぐに「誰が責任を取るんだ」とか言い出すヤツがいるのが日本社会の特徴だが、責任取ることより事態の回収に努めるべきなんじゃないか?とか、事業を推し進めることに賛成したやつと看過したヤツ全てに責任が帰属することぐらい子供でも分かるよな?とか言いたくなるんだが、日本の会社でこういう事言うと翌朝には辞表を提出することになる。言いたいこと言ってから退職するぶんには別にかまわないのだが、今朝だか一昨日の新聞で、ライブドア堀江社長の説くメディア展開が理解できないから退職するとかホザいているニッポン放送の現社員がいるという記事が出ていた。
基本的には人の勝手だし、堀江社長に対して特別の思い入れもないが、分からなければ公開質問状でも何でも突きつけて分かるまで質問すれば良いし、自分達の番組作成方針と食い違うならば納得のいくまで話し合えばいいではないか?既得権益を手放さず、現状を変える勇気を持たずに、不平不満ばかりを口にして前に進もうとしないヤツはラジオマンである前に人間として「クズでございます」(村上ファンド風に)