海猫

maranello2004-11-24

伊東美咲の濡れ場シーンで話題の映画「海猫」。見てきたわけでもないし、見に行く気もサラサラないんだが、ひょんなことから原作のストーリーを全部知ってしまった。予想外の結末で、なかなか考えさせられる内容かもしれない。たくましい漁師が登場する物語ということで三島由紀夫の「午後の曳航」を思い出してしまう。これでも高校生の頃は結構な文学青年で、三島由紀夫の作品もほとんど読破したし、ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎の著作も、ほとんど読み終えた。三島由紀夫は意外なことにエッセーもかなり書いていて、それが結構面白い。大江健三郎は「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」がお勧め。「セブンティーン」もいいです。マラソンの前日なのに誘惑に勝てずにオナニーしてしまう仮性包茎のダメ人間が右翼に傾倒していく様が描かれていてイイ感じです。昨今、日本人の国語力の低下が嘆かれているが、原因として面白い作品を紹介している、もしくは紹介できる大人が少ないことも挙げられるのではないかと思う。夕刊フジのエロ記事しか読んでいない人間に、「もっと本を読め」なんて言われてもね。漫画を読んでいる人は相変わらず多いみたいだけど、萌え系漫画「藍より青し」を読んでいる人の中に、タイトルに関係のある故事成語出藍の誉れ」という言葉を理解している人がどれだけいるか怪しいもんだ。母国語の能力が留学生にも劣るようでは、やはりこの国には未来はない。ところで、肝心の「海猫」だが、伊東美咲の濡れ場シーンは言われているほどスゴイものではないらしい・・・ちょっと残念。